2023.05.30(火) 20:00
2023.05 - 母のこと
こんにちは、深波です。
湿った暑さや気圧に例年より気圧されている23歳の5月、よく食べよく眠ることが今すぐできる最善であることに気づきました。
なんか上手いこと言えた気がしますね。日本語のこういうところがだ〜いすき。
「よく食べよく眠ること」とあんなに口酸っぱく言われてきた学生時代、お恥ずかしながらこの教えの当たり前さに馬鹿馬鹿しいと逆張りし、遅寝限界早起き朝食はそこそこといったくたびれまっしぐらな一日を送っていたものでした。
もう二度と同じ生活リズムで身体を駆動させられる気がしません。
若さだって、怠惰の蓄積の前には輝きを失うのです。
でもこの教えのシンプルな美しさ、正しさに気づいたのが今で良かったですね。
なんせヒトの時間は不可逆であり、今が一番若いのですから。
4月の動画
皆さん、4月に投稿しました「第六感」お聴きいただけましたでしょうか。
実は昨年の4月に一度フル尺を完成させていたのですが、この一年でどれくらい成長したのか比べたくなってまた作り始めました。
feat.東京ゲゲゲイver.が大好きなのでやるぞ!と意気込んだものの、歌い始めてから必要な音域の広さに五体投地した回数幾星霜。
でも4月に出したかったのでね。
一年ぶりだし、新年度でもあるし、前に飛ばすポップスの歌い方は課題だし、いっちょここらで時間を積み重ねつつも一番若い「今」を歌っておきたかったんです。
生まれてから数えれば一番老いていて、それでいていつかくる終わりから数えれば一番若いなんてなんだか不思議ですよね。
そんな「今」を、出来るだけどこかしらに残しておきたいです。
5/14
さて、母のこと。母のことです。
今だから書ける、母のこと。
こたえのない贈り物をし続けて儀式めいてきた12回目の母の日ですが、今年はオレンジのシャボンフラワーブーケでした。見て見てかわいい!
母はオレンジ色が好きらしいです。
その昔交換ノートの文化にハマった頃、どうしてもすぐにやりたかったわたしは一家で交換ノートをしよう!とフォーマットを作りました。
そこに母が書いてくれた好きな色が、オレンジ。
明るく華やかな母にぴったりの色ですね。
わたしは母のことが本当に本当に大好きなのでいつも、今でも、いや今だからこそベタ褒めしています。
文武両道才色兼備、顔が広く実行力があってひとに愛されひとを愛する女性。
生まれてすぐ急性脳症になったり、8歳の頃てんかんを発症したり、それでなくとも甘えてべったりだったわたしを邪険にすることなく力を尽くしてくれた母親。
カーオーディオで流れる平井堅さんの「KISS OF LIFE」にノリノリで手を振る可愛い人。
いつも美味しいご飯を、習い事や学校行事には素敵なお弁当を欠かさず作ってくれたすごい人。
思い出すだけで母の好きなところはたくさん書けるんですが、中でもとっておきのを皆さんにお教えしたいなと思います。
わたしは、小さい頃からピーマンが好きです。
母が作ってくれるお弁当にはいつも、ピーマンを油でくたくたになるまで炒めて塩胡椒で味付けしたものが入っていました。
これがなんだか美味しくて、大人になった今でもピーマンがあるとやりたくなります。
母がわたしに遺してくれた、いわゆるおふくろの味。
ただそれは、どうも母がオリジナルということではないようでした。
母は友人を大切にする人で、小さい頃「よく分からないけどお母さんが仲良くしてるお姉さん」にたくさん会ったことがあります。
その頃の縁があって、震災のあとそのお姉さんたちと会うと何かしら母の思い出を語ってくれました。
仲睦まじいエピソードを聞く度に、母は母になる前からひとを愛するひとで、そんなところを愛されていたのだと噛み締めたものです。
その中にいらした同級生の方のお母様が、そのピーマン炒めの祖なんだそうで。
学生の頃その方のお弁当に入っていたピーマン炒めを一口もらったところいたく気に入って、わたしにも作ってくれるようになったらしいです。
それを聞いて頭で計算したピーマン炒め存続の年月は、結構なものでした。
母から子への愛情、友情、また母から子への愛情。
そうやって密かに紡がれた愛情の連鎖のエピソードがあったこと、そしてそれを本人として聞けたことはかなり幸福なことと思います。
ただ寂しいことにその方ももうご存命ではなく……ピーマン炒めは世代も家も超えて、何故かわたしひとりが継いでいます。
でも普通に美味しいので、先日いつも料理を振舞っている人にもご馳走しました。
ピーマン炒めよ永遠なれ。
とまぁ、そうやって世界一シンプルで愛に溢れ、思ったより嵩の少ない姿になったピーマンを見る度に、鼻の奥がつんとします。しょっぱい。
一時、母のことを考えて泣いてしまうなら考えるべきではないのではないかとも思いました。
でも今、先月のポストにあるように母が好きなオレンジ色のスニーカーを履いています。
母がお化粧して出かける日の匂いに似た香水を見つけたので、いずれ買うつもりでいます。
母が好きだったドリカムは今年四年に一度の大きいライブを開催するので、チケ争奪戦に参戦します。
母が大好きと言い続けます。
ピーマン炒めだって作り続けます。
母にたくさん愛されて育ったわたしを、そしてそれが少しずつ形を変えてあたらしくなる「今」を、目を背けずに愛し続けていたいから。
今月は特に長かったですね。お付き合いいただきありがとうございました。
それでは、また。
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